オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび449

米山文明「声と日本人」を読む+日本語のためのボクの発声教育試論2

 


小学生期の音楽、主に歌の話をします。ここ30年間くらい低学年に最も人気のある曲は、となりのトトロの「さんぽ」でしょう。たしかに子どもたちに好かれる要素が揃っている曲です。けれど音域を見てみましょう。低いドからオクターブを超えて高いミまで、低学年にその音域を歌うのは困難でして、当然音程は不正確になります。「子どもたちが楽しく歌っているならそれでいいじゃないのさ」という考えもあるでしょう。けれどそれは発声教育ではないと思うのです。

低学年は自分の声で音楽を楽しむ第一歩だからこそ、無理のない音域で美しい日本語が発声できることを体験させたいのです。私は、低学年の子どもたちには、古来のわらべうた、中でもリズミカルな歌を提供したい。ずいずいずっころばしとか山寺の和尚さんとか、地声(表声).で歌える音域(ド〜ラくらいまででいいのです)の中で、美しく日本語を歌えればそれで十分でしよう。海は広いな大きいな〜の「うみ」はへ長調で歌えばオクターブに収まりますし、あれまつ虫がないている〜の「虫の声」も大丈夫です。高いシやドは力むと出しにくいし「春が来た」に至っては高いミが出てきますが、張り上げないでやわらかく歌ってみましょう! 程度のアドバイスでこの時期はいいと感じています。