オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび454

坂本龍一「音楽は自由にする」を読む1

 


本当はひねくれているわけではないのに、文章を書くとひねくれた文になってしまう。坂本龍一氏の場合はどうなのだろう? 子どもの頃、ドビュッシーに感激する場面が描かれているが、率直に美しいものを感じ取る感性がなければ、きっと音楽家などにはならなかっただろうと思う。

学生の頃、銀巴里でシャンソンを伴奏する仕事をしていたことを書いている。ボク的にはポピュラー音楽は、一度味を知ってしまったら、離れないお菓子のようなものだから、坂本氏は頭から出ていかなくて困ったと書いている。どこかで聴いたことがある音の影響下から抜けられないのは、作曲家のジレンマだろうが、この頃から独自の道を歩もうとしているみたいだ。その頃の話として、過激派に近く革命家気取りだった彼がフォークの友部正人さんと知り合って全国を回るエピソードは面白い。バッハ→ドビュッシー、現代音楽、民族音楽、ジャズ、ロックと若い頃色々な音楽と出会った経験が語られている。 

高校時代の学生運動歴も書かれているが、制服制帽廃止はさておき、評価テスト廃止という成果はすごいなぁ。隔世の感ありですね。