オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび480

佐藤和孝「戦場でメシを食う」を読む2

 


話題はサラエボに移動する。以前緒方貞子さん関連の本を読んだ時に凄まじい内戦の様子が記されていたことを思い出した。サラエボ1984冬季オリンピックの開催地だが、それから10年も経たないうちに内戦によって街が廃墟のようになってしまった。

ボクはチトー元帥の独自路線を思い浮かべていた。ソ連からは相手にされず、労働者による自主管理という独自の社会主義政策を推進したと言う。そしてチトーが生きていた頃はユーゴスラビアと言う多民族国家が地図上にあった。それぞれの民族に対して妥協や調停を重ねた危なっかしいバランスの上に国が成立していたのだろう。チトーというカリスマの死によって国は崩壊の道へ向かう。それはいい。けれどなぜ戦うのか! そして国や民族どうのこうのよりも、まず自分の家族を守ろうとして人は銃を手にする。

サラエボ編の最後にシーメックという地雷・不発弾処理の担当者が登場する。サラエボ内戦ではどこに地雷が埋められているのか? さえはっきりわかっていないのだ。彼は何と素手でヘルメットも棒弾チョッキも着けずに不発弾を抜く。もちろん爆発したら即死である。しかも彼はこの作業をボランティアでやっているらしい。テレビなら「

絶対に真似しないでください」とテロップが流れるだろう。一刻も早く危険を取り除くためにこんなことをしている人もいるのだ。

 


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