石破茂「国防」を読む
国民の命を守る。そのために心配し過ぎて心配し過ぎることはないと石破さんはおっしゃる。それが政治家の役割でもあると。
高校の頃、戦○チ(○にカタカナ一字を入れると差別的な響きを持った言葉になります)と呼ばれていた友人がいた。彼の愛読書は「丸」。誰よりも自衛隊の装備について詳しかった。石破茂氏がテレビに登場し始めた頃、似たような雰囲気をボクは感じた。
この本が出版されたのが2005年。北朝鮮によるミサイル発射、9.11テロに端を発するイラク戦争とサマワへの自衛隊派遣などが話題になっている。政治家が著した本にありがちなことだけど、大臣とかの立場にあった時には発信できなかったことの内幕的な葛藤や内情を書いていることが多い。本書にも石破さんが防衛庁長官だった頃の回顧録的な要素が感じられる。
しかし当時から世界の状況は、さらに不安定感を増しているのだ。この記事を書いている時点で、与党内で反撃能力や敵基地攻撃能力という意見が出ているようだ。そのような言葉がメディアを通じて、海外に発信されるだけでそれなりの威嚇になると踏んでいるのだろう。わかりにくいのは、そのためにどのようなプランがあり、どんな武器を購入するのか? 具体が見えないことだ。武器は私たちの税金で買うのだから。生物兵器、化学兵器、サイバーテロ対策etc・・想定しておくべき状況は多岐にわたる。
戦後米ソ冷戦のバランスの中で平和を貪ってきたツケが確実に国民の危機意識の低下に直結しているのだろう。平和ボケ? ボーッと生きてるんじゃねえよ! ハイ、ボクのことでした。