小川和久「日米同盟のリアリズム」を読む1
私が住んでいる神奈川県には巨大な米軍基地が二つある。一つはマッカーサーが占領軍司令官として降り立った厚木基地、もう一つは小栗上野介以来、日本の海防の要とも言うべき横須賀であります。他にも鶴見に石油備蓄基地があるらしい。しかし、なぜこれだけの巨大な施設を日米が必要としているのか? あまり話題に上らない。戦略的な意味と効果について、私たちは恥ずかしくなるくらい無知なのです。
本書では、北朝鮮と中国の動きに日米同盟がどう対応しているか? について語っている。
北朝鮮がミサイル開発に邁進しているのは、実は総合的に見た軍事力のバランスが取れていないので、周辺国の不安を煽るには打ってつけのミサイルとその上に載せる恐ろしい弾頭を宣伝しているのだ。ある時期まで潜水艦からの発射を目論んでいたが、地上発射の方が邪魔されず? に発射できるので切り替えたのだ。金正恩がインドやアメリカの経済的な成功をモデルにしているという話が出てくる。核保有国であることを相手に見せつけて、かたや中国かたやロシアを相手取りバランスを取ってきたのだ。いわゆる核の抑止力による平和に危なっかしい思いを抱くのは私だけではないだろう。