オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび532

高坂勝「減速して生きる ダウンシフターズ」を読む。

 


著者が小売業界にいた頃、業績悪化に並行して指示系統が縦化されイエスマンが増えてきたと言う。翻って教育現場でも業績悪化については検証しづらいが、同様のことが言えそうです。子どもたちに自由の大切さを説く教師自身が不自由な状況で何が教えれるのでしょう?

著者はBARのマスター。店の名前は「たまには月でも眺めましょ」。一人旅で海に沈む三日月に感動した体験が店名の由来らしい。昔大きいことはいいことだ! と山本直純が歌っていたが、その逆で小さいことはいいこと=スモールメリットを標榜する。さらに石川県で農業を営む源さんこと西田栄喜さんのミニマム主義を紹介している。

米や大豆・野菜などの食糧自給が可能であれば、現金所得は少なくて済む。著者は半農半Xをす提唱している。Xは人それぞれ画や歌や著作であったりすると言う。農業のやり方について、冬期湛水、不耕起農法のよさが書かれている。田んぼってコチコチに固まった土を掘り起こして、柔らかくするところから始めるんじゃないの? と思い込んでいた私には目からウロコであった。

もう一つの問題提起は、飼料として家畜に与えている穀類の量。世界中に飢餓に苦しむ数億人がいるが、その一方で膨大な量の飼料を牛・豚・鷄に与えている。私も含めて肉を食べ過ぎているのだ。

私たちは少なからず何かを言い訳にして生きている。予定が入っているから、やらなければならない仕事だから・・。けれど企業を退職しBARのオヤジになったことで、自分の時間を自分の責任で自由に配分できることで素直に行動できるようになったと著者は語ります。

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