オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび664

大塚ひかり「くそじじいとくそばばあの日本史」を読む

 


この本で取り上げられている人々は、ご長寿です。ほとんど神話の世界の住人はともかくとして、意外なほど昔の平均年齢が高かったことに驚いてしまう。現在定年を70歳に引き上げようという論議が出ているけれど、律令国家の官僚も定年は70歳だったのだ。それまで勤め上げた人が大勢いたのでしょう。

老いて歯止めが効かなくなった例として、朝鮮出兵を強行した豊臣秀吉が登場しますし、もはや性欲の塊と化した一休禅師などが登場します。

実はボクの親族が役所で総合案内をしているのですが、毎日高齢者が大勢訪れてくるらしい。なかなか個性的な方々が多いらしい。高齢者でちょいと扱いにくい代表例は、威張り散らす人だと言う。芥川龍之介の「鼻」にも巨大な鼻を持て余して、サポートを受けているのに威張ってしまうお坊さんが出てきますね。虚勢を張るにしても可愛げが必要な気がします。

本書の後半では、実在の人物から離れて昔話の爺さん婆さんを観察している。鬼婆とは言うが、鬼爺はあまり出てこないのはなぜか。筆者はその背景に女性差別と出産・子育てへの関わり方があると推論しています。昔は子育て支援法もなく、捨て子も多かったと言いますから。苦境から鬼のような振る舞いが見られたのかもしれません。

自分の葬式の台本を書いた鶴屋南北、初婚が53歳で性交回数を記録していた小林一茶、本書に登場するご老人は皆とても元気な爺さん婆さんたちだ。ボク自身もいい意味でのくそジジイを目指したいと思いました。

f:id:hoihoi1956:20240703061032j:image