オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび677

エリック・ルーセル著、山口俊章・山口俊洋訳「ドゴール」を読む1

 


愛国主義って何だろう。ドゴール伝を読み進めながらこの問いについてボクなりに考えてみたい。

ドゴールのゴールとはガリアの意味があると言う。カエサルの戦記にあるように現在のフランスはガリアだったのだ。彼にこの国土にずっと暮らしてきた一族としての意識はあっただろう。そしてそれがどうやってフランスの独立を守るかという軍人として政治家としての行動に結びついている気がします。

ドゴールが軍人として、第一次世界大戦でドイツ軍と戦った時、彼は捕虜となったのですが捕虜になるたびに収容所から脱走している。その後彼は戦車が戦力の中心になると考え、政府に機甲師団の創設を訴えるが、結局受け入れられず歴史が語るようにドイツ軍の機甲師団マジノ線を突破して、バリは占領されてしまう。

ここまでは敗戦国フランスにいた若き将軍の履歴でしかない。しかし、ドイツが攻め込む中、フランスの独立を回復するためにドゴールは動き始めるのです。イギリスに渡ってチャーチルと会い、 1940年6月18日BBC放送にて「自由フランス」の創設をアッビールする。

俄然この伝記が面白くなるのは、この時からでして祖国の独立を勝ち取るための紆余曲折の長い道のりと八面六臂の活躍が始まるのです。

しかし当初フランス政府・軍部内では彼の支持者は極めて少なかった。自由フランスを立ち上げたとはいえ、本国にはナチスに擦り寄る政府があり、ドゴールは全くの少数派。チャーチルへの協力要請、アフリカ北部の植民地への攻撃、国内レジスタンスとの連携、果てはソ連を頼りにするなど、フランス独立の為にできることなら何でもやるという感じです。

そして事態がその後の世界史を左右する難局とは言え、ドゴール自身、そしてチャーチルもよく激昂している。事態が自分が思うように捗らないのだ。頑固一徹。その後の英雄視されるドゴールよりもこの時期の苦悩から私たちが学ぶ点が多いように思います。

 


この投稿は明日に続きます。

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