オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび692

青野太潮「パウロ 十字架の使徒」を読む1

 


キリストが教えを説いていた頃、パウロはこの新しい教えを迫害する側にいた。モーゼの十戒を元に律法を遵守するユダヤ教とキリストの教えは相容れなかったのです。

そのパウロ(=サウロ)が次の日ような体験をしたと使徒行伝には書かれている。

・・旅の途中でダマスカスに近づいたとき、突然、天からの光が彼の周囲を照らしました。彼は地面に倒れ、声が彼にこう言うのを聞きました。「サウロ、サウロ、なぜ私を迫害するのか。」

「主よ、あなたはどなたですか?」サウルは尋ねました。

「私はあなたが迫害しているイエスです」と彼は答えました。「今、立ち上がって町に行きなさい。そうすれば、あなたのなすべきことが告げられるでしょう。」・・それから三日間彼は盲目となってしまいます。

ここでダマクスのアナニアが登場します。

エスはアナニアに幻の中で語りかけ、「まっすぐな道」に行き、「ユダの家でタルソのサウロという人を尋ねなさい」と告げた。(使徒行伝 9:11)アナニアはサウロが「あなたの聖徒たち」を迫害していると異議を唱えたが、主はサウロは「異邦人、王たち、イスラエルの子らの前にわたしの名を伝えるために、わたしに選ばれた器である」と告げた。(使徒行伝 9:15)アナニアがサウロのもとに行き、手を置いたとき、サウロの目の表面にあった死んだ組織の「鱗」が落ち、サウロはアナニアを見上げた。

 


また使徒行伝のべつの箇所では・・

 


それから、アナニアは家に行って、中に入って、サウロの上に手を置いて言った。「兄弟サウロ、あなたがここへ来る途中で現れた主なるイエスは、あなたが再び見えるようになり、聖霊に満たされるようにと、私を遣わされました。」すると、たちまちサウロの目からうろこのようなものが落ちて、再び見えるようになった。

 


これが「目から鱗が落ちる」の語源なのですね。

長い引用を重ねましたが、使徒行伝の著者は、パウロの相棒として伝道の旅に同行した医者のルカです。

 


ただ本書ではパウロの回心について、奇跡とは無縁のごく内的な体験であったと書かれています。

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