オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび717

沢野ひとし「ジジイの片づけ」を読む

 


初めの方に出てくるのが窓。「窓を開け放せ」とおっしゃる。「なるほど閉め切っているから空気が澱んでいるのだ」と納得してしまう。でもまだ寒いので早朝から窓を開け放つ勇気が、寒がり屋のボクにはない。

 


「あの世に持っていけるのは思い出だけ」。この言葉も沁みる。お宝のような品物も、結局はこの世に置いていくか、棺に入れてもらうしかないのだ。しかも棺に入っている自分にはすでに意識はない。

 


沢野さんは、文中で白湯を勧めている。そんなにいいのかなぁと調べてみると、侮るなかれいいことづくめなのです。あっ、お茶買い忘れちゃった・・・なんてこともないし、これはよさそう。

 


服装について語る箇所で「いくつになっても異性にもてたいと思うジジイこそ充実した毎日を送れる」という。ボクにはまるっきり不足している感覚だ。

 


沢野さんの奥様は教員だと言い、教育現場けら持ち込まれた品々が片付かないことに、沢野さんは苛立っているようだ。ボクの部屋に教え子がくれた寄せ書きや写真が飾ってある。一度フルタイム勤務を辞めた時にかなり処分させてもらったのだが、その後の非常勤講師勤務でまた増えてしまった。相手が子どもたちであることが決定的に捨てると言う行為をとどまらせている。おそらくは他の同業者然りで沢野さんの奥様も同じなのだ。

別の箇所で「とにかく思い出のものに囲まれていたいだけ」と沢野さんは言い放つ。そうかもしれないなぁ。

 


最後の方で宇野千代さんの言葉が出てくる「死んだあとのことは、死んでから考えればよい」おっしゃる通りだが、この本を読んで自分がどういう環境で息を引き取るのかをイメージしてみてもいいかなと思いました。

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