オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび719

森 博嗣「やりがいのある仕事という幻想」を読み、教育現場について考えてみた2

 


なぜ、近年教員という仕事がブラックな職業の代表のように言われ、実際教員が足りなかったり、教員試験を受ける人が減っているのか?

教員という仕事は、保護者とパートナーシップを築きながら、子どもの成長を促しているわけです。ところが、保護者がいわゆるモンスター化してしまったり、授業中に子どもがまるっきり指示に従わなくなってしまったり、パニックに陥りメンタル面が不安定になる方を大勢いらっしゃいます、

教員はある程度の自信を必要とする仕事でありますし、実際最低限の自信をもって教壇に立つ人が多いのです。ですから自分のプランや描いていたイメージが想定外の方向へ進んでしまった時に迷ってしまうわけなのです。

しかも追い討ちをかけるかのように、事務量が増加しています。パソコンが配備されインターネット環境が整ったことが、行政からの調査が増えた一因になっている気がします。行政としては、懸案事項の調査は、学校現場に依頼しなければならないのでしょうが、実際懸案事項に追われている現場が、必要としているのは調査ではなくて迅速なサポートなのです。

昭和54年の採用時と令和5年の退職時で、状況はずいぶん変わってしまいました。森さんが語っているように、辞めようと思ったら身を退けばいいのです。ただスタンスとして目一杯で頑張らず、仕事との距離感として、テキトーな間合いをとっていることが、大切だと感じています。

教員として不安を抱えている方に本書はお勧めです。森さんが言うやりがいとは「そんな仕事やめとけ」と周りから言われてもチャレンジしてみたくなる気持ちの中にあります。教員という仕事の評判が極めてよろしくない昨今、そんなメンタリティの強さが求められているように思います。

f:id:hoihoi1956:20250327070419j:image