城山三郎「賢人たちの世」を読む1
椎名悦三郎さんは、三木総理誕生の立役者で「椎名裁定」という言葉と、その後クリーン三木に反発して三木下ろしを演じた方としてボクは記憶していた。
外務大臣時代の国会答弁がなかなかすごい。
日韓の交渉にあたり帰国後の国会にて
社会党議員「『深く反省している』とはどういう意味か」
椎名『しみじみと反省しているという意味でございます」
・・椎名「アメリカは日本の番犬の役をします」
質問者「そんなこと言っていいのか」
椎名「あ、間違いました。番犬さまでございます。」
とぼけているというか不真面目というか、今こんな答弁をしたら大変であります。
しかし椎名の信条の一つである「省くに如かず」を演じたとも捉えられそうですね。
椎名外務大臣の活躍はその後も続き、戦後初めて外相としてソ連に渡っている。
作者の筆は、椎名悦三郎の故郷岩手県奥州市水沢吉小路へも飛ぶ。この地域は、高野長英、後藤新平、斎藤實。水沢三偉人と呼ばれて日本史にその名を残す人々の出身地なのだ。三人とも凄い人ですが、ボクは斎藤實について2.26で殺された一人程度の認識しかなかったので、いずれちゃんと調べてみたいです。
明日の投稿に続きます。