佐久間智之「住民に伝わる自治会情報の届け方」を読む
本書は著者が行政職として広報担当に携わってきた経験から書かれている。
行政について、ボクは学校教員をやっていた頃、教育現場のリアリティーを感じていない行政の態度に愚痴をこぼしていた。
それでもお金を動かすこと、情報を得ることについては頼らざるを得ないわけで、かなりやるせない気持ちでいたわけですが・・・。
さて、本書の提案。
完成形が最初から決まっていてパズルをはめていくだけの処理型の仕事から、LEGOのようなブロックでオリジナルな形を作り上げていく編集型への移行などは、今必要とされている変革なのだろうと共感できる。
本書のキモは「どうすれば届けたい人に届く情報に加工できるか?」です。
著者は偉い学者先生の理論を引用しながら編集効果が上がる方法を提案しています。
お勉強的な理屈・理論は脇に置いておいて、ボク自身が今後発信者として参考にしてみたいと感じたのは、編集の具体例が豊富に掲載されているところです。
我が身を振り返れば、押し付けに捉えられてしまう「しましょう」→「そろそろ」の言い換えなど発信者として相手に届きやすくする工夫は、今後大いに心がけていきたいところです。
また感じたことは、発信前にモニター的に近くの人にお試しで見てもらうこと。ボクの場合なら家族でしょうか。学校教員だった頃、学級通信の下書きを管理職に見てもらうと励まされる助言をたくさんいただいたことを思い出しました。
行政からの発信という枠を超えて、誰もが発信者であり受信者でもある時代に、有効なアイディアが詰まっている本です。