堀内正規「ジョン・レノンをたたえて」を読む1
「Imagine」はジョンという個人の肉体を通して生まれたからこそパワーを発揮したという趣旨の文が初めの方に出てくる。キング牧師のI have a dreamのように、カリスマ的な存在が発信した表現に著者はパワーを感じているようだ。
そもそもビートルズというグループは、ジョンが周りの友だちに声をかけてできたので、結成当時のリバプールの頃もハンブルグの修業時代も、中心でありリーダーはジョンだった。
ビートルズ解散後、その音楽はボールとウィングスが延長線のように続けるけれど、ボールの創造性がジョンに触発されたからこそ発揮されていたことが、ビートルズとウィングスの曲を比較するとよくわかる。
本書はジョンがビートルズ解散後に出したアルバムを辿りながら、その歌詞を反芻している。一枚目のソロアルバム「ジョンの魂」のGodの詩では、ジョンがビートルズ以前の生き方にリセットをかけて、もう一度自分の原点(=Yoko&me)に立ち返ろうとしていたのだ。
Godの冒頭でジョンは次のように歌う。
God is a concept by which we measure our pain
I’ll say it again
God is a concept by which we measure our pain, yeah
Pain, yeah
神とは概念さ、苦しみを測る為の
もう一度言うよ
神とは概念、苦しみを測る為の
この詩を受けて著者は次のように書く。
ひとは自分だけのpainを感じ取ることができる。それが他ならぬこの自分が生きているということのあかしだ。だから自分のpainを愛せ、傷を愛せ、という認識がそこにある。それはきわめて深く、また普遍的なものだ・・と。
一切の虚飾を捨てた音楽があるとすれば、アルバム「ジョンの魂」は、赤裸々に自分をさらけだした表現であると言えましょう。
