伊勢崎賢治「14歳からの非戦入門」を読む1
始めに安全保障化と緩衝国家という2つのキーワードが提示される。安全保障化のゴールは他国の脅威を煽り、防衛予算を優先させて、そのための犠牲を強いることでしょう。また緩衝国家というのは、地政学的に対立する二つの勢力の狭間に位置している国のことです。実際に衝突が起きた際には、所属する陣営側の都合がよいように扱われるリスクがあるわけです。
本書は、目下毎日のように悲惨な現場の様子が報道されているガザ地区の話から始まる。イスラエルとパレスチナの関係は、第一次世界大戦後に委託統治国であったイギリスの三枚舌外交が発端と思われる。双方に対して互いの独立を保障することで、スエズ運河という交易路を確保し、かつイスラエル(シオニスト)からの経済的な支援も、獲得しようとしたのだろう。
その後、イスラエルの建国と同時に第一次中東戦争が始まり、今日まで戦闘が断続的に繰り返されている。いっときオスロ合意によって和平が成立したかのように思われたが、その後イスラエルは境界線とされたヨルダン川の東岸にも植民を進めている。
ハマスについて本書は明確な次のように書いている。「ハマスは2006年のパレスチナ国政選挙で西岸、ガザ両地区で民主的に第一党に選ばれた、れっきとした「Polity=政体」である。」「ハマスが敵対するのはあくまでシオニストの企みであって、ユダヤ教徒ではない、と表明している。」
テロリストを悪魔化して、徹底的な殲滅を図る。この論法はアフガニスタンでの対タリバン線で十分に懲りたはずではないのか? と筆者は問う。対話すべき相手はハマスなのだと。
そして現在ガザ地区で起きていることは、戦争ではなく大量殺戮(ジェノサイド)なのだと。国連も同様のことを言っていますが。
明日の投稿に続きます。
