オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび777

森元斎「アナキズム入門」を読む4

 

最終章は、著者が必殺仕置人に例えているマフノ。この章にすでに懐かしささえ感じる「ソヴィエト」という言葉が登場する。元々は地域単位の評議体の意味であり、それがポリシェヴィキによって国家の名前に転用されたのだ。

マフノは、自らの故郷であるウクライナのために、ロシア共産党ウクライナの植民地化を狙い侵攻してくるドイツ・オーストリア郡司と戦う。

しかし際限のない戦いに疲れて、マフノは接点を見出しに、ロシアに潜入してレーニンに会う。しかしアナキストのマフノとレーニンのソリは合わず、案の定ロシア共産党ウクライナに軍隊を送ってくるのだ。

その後ウクライナで北を赤軍、南を帝政側の白軍に挟み撃ちにされながら、マフノ軍は奮戦する(彼らの軍隊を黒軍という)。結果的にはポリシェヴィキに騙し討ちに合い、負けてしまう。しかもありもしないデマを流して純朴な農民の心を離反させようと画策する。

仕方なくマフノはパリに亡命する。

 


実はマフノの名を冠した「マフノフシチナ」という巨大なコミューンがウクライナ南部にあった。本書には彼らが自主的に学校を作り、国家の干渉を受けない教育を行っていたことが記されている。

実はこの地域は100年後の現在ロシア軍とウクライナ軍の最前線と化しており、戦禍に見舞われている。

 


アナキズムで目指したコミューンというのは、結局19世紀末から20世紀初頭にかけての経済状況が背景だったのか? 現在の日本においてもコミューン活動は散見される。けれどもっと広汎な人々を巻き込む、自由な繋がりによる共同体が必要ではないのか、政府と真っ向からは戦わない=潜伏したアナキズムが、目立たないように心の底に秘められていてよいのではないかと感じました。

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