小沢昭一「川柳うきよ大学」を読む。
川柳については、最近AIによる作品と見分けがつきにくいという理由から大会運営が難しくなったという報道がありました。この本はAIが登場する前の話。
時代小説の吉川英治が、若い頃吉川雉子郎として川柳を投稿していたらしい。
・お座敷でなく バッタリ道で 会ひたい
・けだものと 呼ばれ尽くして 立志伝
収録されている川柳は、今から20年前の世相を映している。日本がイラクに自衛隊を派遣していた頃です。
戦争ネタが続く中に、こんな句が。
・島の医者 患者囲んで 酌み交わす
高齢者が多い地域に暮らしていると、下の句など実感!
・カルチャーの 男の席は 隅にある
昨日韓国でAPECが開かれていたのですが、さて私たちの未来は?
・少子化で 地球少しは 長持ちし
今日本中で騒いでいる動物のネタも
・熊曰く 昔は遊んで くれたのに
株価がどんどん上がっているけど、20年前にこんな句が。
・元カレと 立場似かよう 売った株
20年を経て再読すれば、川柳は世の流れに浮かぶ泡沫(うたかた)のようなものかもしれないと感じます。
けれど儚く割れるシャボン玉が、周囲の風景を映して飛ぶように、風刺として一瞬の輝きを放っている気がします。
