前回フルトヴェングラー指揮ベルリンフィルによる「運命」の録音について書いたけれど、それと前後して同指揮者でバイロイト祝祭管弦楽団による「第九」の演奏を聴いている。
これまた、名盤中の名盤と評価されている演奏で、ライブによる演奏の迫力・会場の熱気が録音とはいえ、伝わってくる。「第九」は数多くの大指揮者が録音を残しているが、この時の演奏を凌ぐ評価を獲得するのは、極めて困難で、恐らくはこの演奏を聴いて、「第九」の魅力に取り憑かれた人も数多くいるだろう。
さて「踊る阿呆に見る阿呆」ではないが、「第九」にせよ、オペラにせよ、聴衆として客席で鑑賞するよりも、実際に演奏者としてステージで感動を共にしている方が楽しい。
年の暮れと言えば「第九」という位、日本は「第九」の人気が高く、演奏が頻繁に行われる国である。それに加えて「第九」は膨大な人数の合唱団を必要とするから、ある程度の修練を積む覚悟さえあれば、「第九合唱団」の一員になることが、日本では可能なのである。
自分自身の思い出話や家族の近況なども織り交ぜながら、第九の魅力について、綴ってみたい。