オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

2011-01-01から1年間の記事一覧

年末音楽談義

先輩 先週は、いきなりプロレスの話など始めるから、驚いたよ。私 このブログも音楽にこだわらず、自由につぶやきたいことを書き込 みたいと思いましてね。先輩 それはそれで結構なことだね。他の社会現象と無関係に芸術論をぶ ちあげているのは、何とも気障…

ある悪役レスラーの死を悼む

まるで音楽の話ではないのだが、21日上田馬之助さんの死去が報じられた。我が国の格闘技史上、最高の悪役レスラーであった上田さんの死に際し、心からご冥福をお祈りしたい。 上田馬之助さんのことで私がすぐ連想してしまうのは、小林まことが描いた漫画「…

年末音楽談義2 紅白の締めは、やはり演歌か?

先輩 最近、売れている曲・歌手は知らない名前ばかりでねえ。 私 自分も最近の若い歌手は、知らない名前が多いですよ。AKB4 8だって、曲のさわりを聴いたことはあっても、メンバーの名前な ど、さっぱりわかりませんし・・。 先輩 まあ、あれだけ多いと…

 年末音楽談義1 歌い納めは、やっぱり第九?

先輩 最近、第九に出たんだって? 私 はい、家族に誘われてね。それに区内の第九がしばらく実施でき ないという噂を聞いたので・・。 先輩 家族に誘われ?夫婦共演てか?仲睦まじいことで。へっ!このブ ログはいつから、のろけ話を聞かされるようになったん…

今、歌っている曲 3ー4

柳河風俗詩について、もう一つ。あまり気にせずに歌ってきたのが4曲目「梅雨の晴れ間」の歌詞についてである。詩人白秋が少年期に見物した歌舞伎の楽しい情景が描かれていることは、すぐにわかる。 しかし、ここで思い起こしたいのは、作曲者多田武彦も、父…

今、歌っている曲 3ー3

シーシャンティーの解説に続いて、もう一つ請け負った曲が、多田武彦の「柳河風俗詩」である。 男声合唱に関わった人なら、誰もが歌ったり聴いたことがあるはずの名曲中の名曲で、自分自身も全曲を通して何度も歌ってきている。 全4曲のうち、異彩を放って…

今、歌っている曲 3ー2

シーシャンティーは、ロジェ・ワグナー合唱団の演奏を始めとして、様々な男声合唱団の演奏会を通して聴いてきたのだが、船上で働く男の様子が何となく想像でき、美しい旋律が耳に心地よく響くことから「男声合唱のレパートリーには、最適なジャンルの一つ」…

今、歌っている曲 3ー1

地域と言えば、所属している区内の男声合唱団が演奏会を開催する。演奏曲は「シーシヤンティー」「柳河風俗詩」「昭和を歌う(歌謡曲)」「水のいのち」の4ステージ構成である。 このうち、プログラムの曲目解説原稿を依頼されたので「シーシャンティー」と…

今、歌っている曲 2ー3

今回の記念合唱団で「見上げてごらん夜の星を」を採り上げたのは、今年の震災と無関係ではない。 震災の災禍に巻き込まれた人々に思いを馳せ、心からのエールを送る。それは同じ国に住まう同胞として、自然な感情であり、行為だと思う。では、何を歌うのか?…

今、歌っている曲 2ー2

実は、勤務している学校が、この度周年行事を迎えるのだが、その祝典・祝賀会において、地域の皆様による一期一会の「記念合唱団」を結成し、練習に励んでいる。 周年行事のアトラクションと言えば、地域で常時文化活動を展開しているグループに出演を依頼す…

今、歌っている曲 2ー1

歌を歌う人数によって、音楽の教科書では「独唱」「重唱」「合唱」「斉唱」という形態があることを教えている。 ここでもう一つのくくり方を提案してみたい。それは「だれと?」という分け方である。それは「家族」「友達」「合唱団仲間」等々に分けることが…

今、歌っている曲 1ー4

曲全体が祝祭的な感興に満ちあふれ、お祭り騒ぎ的な「第九」だが、だからこそ一瞬の静かにながれる美しい旋律とハーモニーに、ほっと一息つくような思いをもつ。 810小節からソプラノで奏でられる旋律とハーモニーの美しさが、私は好きである。あなたのや…

今、歌っている曲 1ー3

「第九」の難所は、多い。現人類が誇る歴史上最高の作曲家が渾身の力をこめて、書き上げた曲なのだから。「聴力がない人が書いたのだから」・・いろいろな感想はあるだろうが、少なくとも素人集団には至難の技である。 男声について言えば、595小節「Se…

今、歌っている曲 1ー2

言うまでもなく「第九」は混声合唱で歌われる。男である私は、テノールまたはバスを歌うわけだが、ここのところ混声で内声部としてテノールを歌う難しさを痛感している。そもそもテノールを歌う喜びとは、オペラアリアに象徴されるように、軽く伸びやかな声…

今、歌っている曲 1

今年の冬は、演奏会が目白押しで、あちらこちらにお邪魔しては、合唱団の片隅で歌わせていただく場面が多い。 「おまえの歌っている曲なんて、別にどうでもいい。」と感じられることは、百も承知でそれぞれの曲に関わりながら、自分が感じていることなどを、…

コクリコ坂を彩る音楽 4

今回は直接的には音楽の話になりそうもない。強いてこじつければテンポ感の話ということになろうか。 アニメーション。漫画では紙の上に固着されていた絵を存分に躍動させる。他の幾多の表現芸術がその方法でしかその表現が可能にならない何かを持っているこ…

コクリコ坂を彩る音楽 3

手嶌葵。たしかゲド戦記でテーマソング「テルーのうた」を担当していた歌手である。今回もエンディングテーマ「さよならの夏」を歌っている。この映画の最後に来て、観客はいつもの宮崎アニメの終わり方に浸る。ちょっともの悲しい旋律で、澄みきった歌声が…

コクリコ坂を彩る音楽 2

アレンジャー武部聡志の名前を初めて目にしたのは、ユーミンのアルバムだったろうか?それとも吉田拓郎のアルバムだったろうか?いや、それよりももっと前からキーボード奏者として、クレジットされていたのを、どこぞやで見かけている。 麻布高校から国立音…

コクリコ坂を彩る音楽 1

スタジオジブリのアニメ映画「コクリコ坂から」を観た。1963年当時の横浜を舞台にというふれこみで、懐かしい横浜の風景も端々に織り込みながら、綴られる青春ストーリーを楽しませてもらった。 1963年、私は同市鶴見区内にある小学校の1年生だった…

吹き抜ける涼風のような音楽 2

2回目は、人の歌声による音楽。ダニエル・リカーリの名スキャット唱であまりにも有名な「ふたりの天使」を推したい。 1970年にヒットしたこの曲は、始めはリカーリの名前を前面に押し出したものではなかったという。しかし、一度聴けば、彼女の声の美し…

吹き抜ける涼風のような音楽 1

暑い!と口にすると罰金を取られそうな位の猛暑日が続く。節電対策でエアコンは控えめにしか動かないし、寝苦しい夜が続いているので、体も元気がない。 そんな夏に、音楽で涼しさを味わうことはできないものか?と思いついたのが、今回のタイトル。人それぞ…

ミューズの神が宿る時4 最後に付け加えられた歌(後)

モデルは、トラップ一家であるが、今回のミュージカルで歌われる曲は、すべてオスカーとリチャードが新たに創作した曲である。ストーリー的にも史実と異なる部分があったが、二人にとって大切なことは、このドラマを通して、どのようなメッセージを発信する…

ミューズの神が宿る時4 最後に付け加えられた歌(中)

そんなある日、体調が優れないオスカーが「最後にこの歌を入れよう」と提案してきた。オーストリアの愛国歌として、劇中で歌うのだと言う。 たしかにナチスドイツの圧力に屈しない大佐の気持ちを表すのに、オーストリアという国を象徴する劇中歌を挿入するの…

ミューズの神が宿る時4 最後に付け加えられた歌(前)

「今回は、なかなかよくできた曲が多い。」決してうぬぼれからではなく、率直にリチャードは、そう思った。 「ドレミの歌」「私のお気に入り」「すべての山に登れ」「ひとりぼっちの羊飼い」そして劇のタイトルでもある「サウンド オブ ミュージック」。どの…

ミューズの神が宿る時3 1947/5/27 ベルリン(後)

アインザッツがはっきりしない。とりわけトスカニーニとの比較において、ヴィルを評する際に、言われ続けていた課題である。しかし、その結果論として、引き起こされる「音の立ち上がり」のずれが、微妙な音の「波濤」を造形しているのも、ヴィルの演奏の特…

ミューズの神が宿る時3 1947/5/27 ベルリン(中)

事情を知らされなかったのは、残された楽団員である。マエストロは行方不明であるが、いつかきっとベルリンに戻ってくるはず・・という凡そ根拠のない希望だけを頼りに、戦後の瓦礫と焼け跡の中で、細々と練習を続けていたのである。 ヴィルが占領地での演奏…

ミューズの神が宿る時3 1947/5/27 ベルリン(前)

「もうここでは演奏できない」そう思った。空襲により市街地が爆撃を受けている影響で、会場は停電。演奏中のモーツァルトの交響曲40番は、2楽章で中断させられてしまった。1945年1月23日のことである。 ヴィルは、ベルリンをもはや離れるしかなか…

ミューズの神が宿る時2  スクランブルド・エッグ(後)

自分の曲であるか、疑心暗鬼であったポールは周囲の仲間に曲を聞かせて尋ねてみた。「このメロディーを知っているかい?」 しかし、答えは誰に聞いても「NO」であった。あまりにもきれいな曲であることから、自作曲であることに自信がもってなかったポール…

ミューズの神が宿る時2  スクランブルド・エッグ(前)

夢の中で、この上もなく甘美な世界が広がっていようとも、目覚めと同時にそのいつまでも浸っていたい時間は、無情にも消え去ってしまう。そして、ほとんどの場合、記憶にさえ残らない。 ポールだって、そんなことは百も承知だった。でも、その日の夢で聞こえ…

ミューズの神が宿る時1 子守歌(後)

彼女の出産に際し「子守歌」を送ろうと思いついたヨハネスに、まず彼女が昔歌ってくれたワルツを伴奏部におくアイディアが出てきた。 さて、問題は肝心な旋律である。懐かしさと愛しさが、食道から喉元を甘く暖かいものがこみ上げるように溢れ出していた。「…