2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧
網野善彦「歴史を考えるヒント」を読む 冒頭に日本という国名がいつ決まったのか? という話が登場します。ボクは手塚治虫の火の鳥で天武天皇が国名を決めた描写が出てくることを当てにしていたので、その頃かな? と漠然と考えていたのですが、689年の飛鳥…
井上ひさし「四千万歩の男 忠敬の生き方」を読む 商家に養子に入り、傾いた店の経営を立て直し、村の政治にも力を発揮した50歳までの前半生。忠敬が江戸に出て天文学を学び、さらには日本全国の地図作成という大事業に挑むのは後半生のこと。定年を迎えたサ…
会津人群像2022no.43より鶴賀イチ「会津藩校日新館」読む 会津藩の教育と言えば、大河ドラマ「八重のの桜」で紹介されていた「ならぬことはならぬものです」の什の掟が有名だ。6歳から9歳までが、什の組織による基礎教育期間で10歳から日新館入学となる。 学…
佐藤智恵「ハーバードでいちばん人気の国・日本」を斜め読みする。 ボクは本書で金剛組という世界最古の会社を知った。578年に聖徳太子が招聘した宮大工が創業したと言う。何と1446年も続いている! 株価の激しい値動きを眺めていると、その時代時代でニーズ…
岡村道雄「縄文の列島文化」を読む 今も昔も日本独自の文化がある。何と三万年も前に日本独自の石器が使われていた。刃部を研磨した石器でナイフのように動物を狩る際に用いたらしい。 ところで私たちが資料で学んだ竪穴式住居のイメージは屋根が茅でふかれ…
村井康彦「出雲と大和ー古代国家と原像をたずねて」を読む2 本書に吉備国の桃太郎伝説が登場する。桃太郎は大和朝廷から派遣された吉備津彦命のことであり、鬼は吉備国で鉄生産に従事していた百済の人々だというのだ。何とかして吉備国の経済力を弱めたい朝…
村井康彦「出雲と大和ー古代国家と原像をたずねて」を読む1 奈良盆地に三輪山という山があり、麓に大神神社がある。御神体が山そのものという古代の自然崇拝を受け継いでいる。ところが祀られている神様は大国主命なのです。なぜ出雲大社の神様が奈良盆地の…
関裕二「縄文の新常識を知れば日本の謎が解ける」を読む 一般に社会で学ぶ対象を「人・もの・こと」と言うけれど、その中でも歴史は、文書・記録を元にした過去を学ぶことだから、縄文を始め文字を持たなかった文化は、その様子を手繰り寄せることが難しい。…
椎名誠「漂流者は何を食べていたか」を読む この本のネタは、生きて戻った人による漂流記。残念だが帰還を果たせなかった漂流者のことはわからない。それを生きて戻れたのは知恵や技術があったからだと、またはクルーのチームワークがよかったからだと決めつ…