佐藤智恵「ハーバードでいちばん人気の国・日本」を斜め読みする。
ボクは本書で金剛組という世界最古の会社を知った。578年に聖徳太子が招聘した宮大工が創業したと言う。何と1446年も続いている!
株価の激しい値動きを眺めていると、その時代時代でニーズや成功のあり方は変化するものと思いがちだが、どっこい飛鳥の世から続いている企業があったのだ。
日本を代表する経営者の名前が、ハーバードで議論の対象になっていることが紹介されているが、会社経営とは少し離れた印象があるアベノミクスの話が登場する。全く予想外の死を迎えた安倍晋三さんの経済政策が歴史に名を刻むことになるのかもしれない。
東日本大震災から13年が経ち、いまだに原発事故から出た放射性廃棄物の処理については見通しが立っていない。けれど福島には事故の第一原発の他にもう一つ第二原発があり、第二原発の方は同じ状況に追い込まれながらも増田所長のリーダーシップによって最悪の事態を免れたことを、ボクも含めて日本人は意外に知らないのではなかろうか。センスメーキング。置かれた状況をいかに理解するかが問われた事例として、本書に登場する。そして所長の行動力以上に現場にいた作業員のチーム力が賞賛されている。
ハーバード生が憧れる日本独自の精神性や感性はどうやって育まれてきたのだろうか? ボクは日本でしか体験できない教育内容や環境の中にこそ。その秘密の一端が隠されている気がしています。