オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

オヤジのあくび581

安部龍太郎「海の十字架」を読む2 足利将軍による治世を終わらせたのは織田信長であるが、信長が上洛する前の洛中の支配者は三好長慶であり松永弾正であった。「蛍と水草」はその内部抗争を描いている。 三好兄弟が次から次へと銃撃され、全て松永弾正の思う…

オヤジのあくび580

安部龍太郎「海の十字架」を読む1 書名にもなっている大村純忠の物語は、ポルトガルの交易とセットになったイエズス会の布教を、いかに自身に有利な方向に利用するか? 戦国時代ならではの駆け引き劇が読者を楽しませる。少々怪しげなバルトロメオが、ストー…

オヤジのあくび579

安倍龍太郎、門井慶喜、畠中恵「歴史・時代小説教室」を読む 畠中さんは、作家自身が小説を書くために踏んでいるステップを惜しみなく公開している。それはほぼ一般化されたスキルなんだろうけれど、もちろん畠中さん独自の留意点も話されていて、何か書いて…

オヤジのあくび578

木村治美「六十代からのエッセイ教室」を読む 冒頭で日記とエッセイの違いについて、ふれている。エッセイは自分を客観視して、書かれている自分と書いている自分との間に距離を取るというのだ。だからこそ読み返しが可能であるし、読者を獲得できる。ボク自…

オヤジのあくび577

池田憲章・伊藤秀明「NHK連続人形劇のすべて」を読む やっぱり「ひょうたん島」の話から。「チロリン村」から続けて音楽を担当したのは宇野誠一郎さん。「真面目なものを真面目に」がチロリン村なら「真面目なものを不真面目に」がひょうたん島の精神だと話…

オヤジのあくび576

田中健次「図解 日本音楽史」を読む 自分が親しんでいる琵琶でさえ知らなかったことが多い。本書によれば、雅楽の楽琵琶はペルシャ起源で7〜8世紀にシルクロード〜中国経由で日本に伝えられた一方で、盲僧琵琶ルートは、インド起源で6世紀に三国時代の中国経…

オヤジのあくび575

増本喜久子「雅楽」を読む 雅楽と言えば、現代のテンポ・リズム感から遥かに遅い、まったりとした音楽という印象を持たれている方もいるだろう。けれど日々の言葉を発する速さや生活リズムそのものが、元々古代日本では非常にゆっくりしていたわけで、当時の…

オヤジのあくび574

菅野恵理子「MIT音楽の授業」を読む 音楽学科の開講科目は「文化・歴史」「作曲・理論」「音楽テクノロジー」「演奏演技(パフォーマンス)」の領域に分かれている。目を引くのは「文化・歴史」の領域に「ビートルズ」「ワールドミュージック入門」「アフリカ…

オヤジのあくび573

長友佑都「日本男児」を読む 熱い! 長友選手のエネルギーの源が、中学校時代のサッカー部顧問井上先生との出会いに見つけられる。ガキ大将だった小学校から両親の離婚という家庭環境の変化、そして地元有名チームのセレクション落ち、入った中学のサッカー…