オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

今、歌っている曲 1ー4

 曲全体が祝祭的な感興に満ちあふれ、お祭り騒ぎ的な「第九」だが、だからこそ一瞬の静かにながれる美しい旋律とハーモニーに、ほっと一息つくような思いをもつ。
 810小節からソプラノで奏でられる旋律とハーモニーの美しさが、私は好きである。あなたのやわらかな翼が安らぐところで・・ここに一瞬流れている音楽は、振幅の激しいベートーヴェンの音楽の中でも、最もデリケートなものでやさしく包み込むように表現したいと思う。
 ベートーヴェンの音楽は、時として激しく、燃え上がるような表情を見せるが、同時にどうしてこのように優しく切ないのかと感じる音楽を絶えず内包している。「第九」においての両面性は、オーケストラにおいては、二楽章と三楽章との対比に顕著であるが、合唱部分においては、この短いフレーズに垣間見ることができるように思う。