オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび331

豊田有恒「日本アニメ誕生」を読む2

 


虫プロを辞めて、TBSへ戻り取り組んだ仕事がタイムパトロールネタでご存知流星号のスーパージェッター! そして宇宙少年ソラン! さらに冒険ガボテン島! いやあー、懐かしいですね。ボクたちの世が夢中になったこれらのアニメのシナリオを豊田さんは書いていたのですね。

手塚治虫ファンとして嬉しいエピソードが出てくる。いかに手塚治虫権威主義や政治的な工作から離れていたかを示す話。「陽だまりの樹」が小学館漫画賞を受賞する運びになった時に、担当者はとても迷ったそうなのだ。だって相手は手塚治虫ですぞ。その前年には石ノ森章太郎の弟子筋に当たる人が受賞していて、手塚治虫からすれば孫弟子世代。けれど手塚治虫はこの受賞を素直に喜んだという。すでに自分の名前を冠した手塚治虫賞がある人が、他の賞の受賞を素直に喜んでいる姿に作者は、手塚治虫人間性を見ている。