日本では、かなり前から保守と革新の違いが、ぼやけてしまい。防衛政策に対する論議で、時折立場が鮮明に浮き出てくるものの、護憲・改憲をめぐる対立も所属している政党とは無関係に立ち位置があるようで、右派だ左派だという対立軸が表立って語られることが少なくなってしまった。
しかし、本家本元?のヨーロッパでは未だに、この対立軸が有効なようで、先だってのフランスの大統領選でも、右派の現職に対して、当選した左派の対抗馬という構図で語られていたように思う。少々わかりづらいのは、右派の政策が緊縮財政、すなわち財政再建を訴えているのに対して、左派は経済成長による格差是正を訴えていることだ。そもそも 行財政改革をはじめとする社会全体に及ぶ構造改革は、左派の専売特許ではなかったのか?たしかに経済成長が実現し、みんなで分け合えるパンが大きくなれば、分け方を上手にできれば、格差は是正できるかもしれない。でもそもそも経済成長など、この行き詰まった先進国で可能なのだろうか?またそれを信じて投票したフランス国民は、どこまで本当にできると思っているのだろうか?
甘いマニフェストに騙されて、現与党に多くの議席数を与えてしまったどこかの国民に似ているような気はするのは、自分だけだろうか。