オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

王様と旅に出かけましょう

※ 王様と旅に出かけましょう  退屈な日々をぬけだして
  ライオンや象はどこにいる? 憧れと夢のアフリカへ

  早く王様   用意して  風が吹いたら飛べないから
  早く王様   用意して  雨が降ったら飛べないから

※ 繰り返し

 もう二十五年も前の話になるが、小学二年生を受け持ち国語で「王様出かけましょう」を学習していた時にテーマソングとして歌っていた(歌わせていた?)歌である。 ちょっととぼけていて、かなりわがままだけど、憎めない王様のキャラが私は大好きだった。
 港の見える丘公園横の神奈川近代文学館で「ぼくは王様」と題した企画展をやっていると聞けば、「王様」ファンの私としては見逃すわけにはいかない。
 館内に入ると、王様の巨大なジグソーパズルで子どもたちが遊び、そのそばでは、「王様出かけましょう」が上映されている。先に進むと作者寺村輝夫氏の原稿や出版され子どもたちに愛されている童話の数々が展示されている。王様シリーズの他、こまったさんやわかったさんもおなじみの絵本だ。
王様シリーズについて言えば、王様を描いている和歌山静子さんの影響がとてつもなく大きいように感じた。寺村氏の話がおもしろいのは、もちろんなのだが、同時に和歌山静子さんの描く王様が大好きだったことに気づくのだ。物書きと絵描きの幸福な出会いがここにはあるのだ。
近頃ユーモアあふれる文学があまり視界に入って来ない。漫画に押されている現実もあるだろうが、読後の笑いやほのぼの感こそ、閉塞感と虚脱感に支配された子どもたちに必要ではないのか?とも感じた。