オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

夜行日帰りで高野山と奈良へ行って来ました2

夜行日帰りで高野山と奈良へ行って来ました2

11:05

橋本駅で急行から各停に乗り換えると、これが何と登山電車のような趣きの路線だ!「天空」という特別列車が走る理由もうなずける。続く極楽橋からのケーブルカーも、かなり急な勾配で一気に高度を稼ぐ感じだ。歩いて登っていた昔の人に申し訳ないような気がする。
駅を降りて、まずお目当ての霊宝館に向かうバスに乗る。しばらくすると道の両側に大きな寺が所狭しと立ち並び、高野山が一大宗教都市であることが実感される。空海上人がここに道場を定めたわけは伝説として伝えられているが、奈良・京都から程よく距離を置きつつ、世俗を離れた山上にこれだけのスペースを求めるとしたら、まさしく最適の地であったのだろう。もう一つの修行場比叡山延暦寺が、破壊王織田信長によって焼かれてしまったことがきっかけとなり、一層高野山の卓越性が群を抜く結果になったのかもしれない。(ちなみに高野山も信長と対立していたが、本能寺の変により自動的に対立が解消している。京都や奈良からの地理的な距離がここでも結果的に優位に作用している)

霊宝館のお目当ては、運慶作の八大童子像。八体のうちとりわけ秀逸な表情が見られる像が三体あり、しばらく見入ってしまった。(八体のうち国宝は六体である)さらに絞り込めば恵光童子の何かを恐れるような、怯えているような不安気な表情が実にいい。子どもだろうが大人だろうが、恐れや不安を失えば、あとは慢心もしくは強がりのポーズしか残されていないのだから。その他にも空海上人直筆の書や快慶作の孔雀に乗った仏像の繊細な表現などに心を惹かれた。例によって写真集やらクリアファイルやら一筆箋などを買い込む。

霊宝館を出ると、壇上伽藍はすぐそばだ。金剛峰寺も回って、今回は早めに切り上げ奈良に向かうことにする。半端でない混み方も一因だが、改めて出直して、宿坊にでも泊まるつもりで時間をかけて奥の院まで巡りたいと思ったからです。








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