オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび370

城山三郎官僚たちの夏」を読む2

 


規制撤廃〜行政指導という流れの延長で、行政と企業活動の関わり方はどうあればいいのか? これが本書を流れる一貫したテーマ。もう少し大袈裟に力めば、天下国家を論じる通産官僚の消長。

自意識過剰的に自分の責任と能力を過信して、国を導こうとする思いは、主人公風越以下、その系譜を継ぐエリートたちに受け継がれていく。方向性や生活スタイルが違う片山だって、官僚としての矜持はしっかり持っている。

こんなに熱く日本経済の行く末を見通し、あるいは憂い、政策立案に邁進した人々がいたはずなのだ。小説の形を借りながら、1960年代の政財官を筆者は語る。

ずいぶん遠いところまで来てしまったというのが、ボクの読後感。もはや天下国家ではなく地球人類を語らなければいけない時代が来ているのかもしれない。きっと。