オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

卒業の歌 考 1

 インターネットのスタートページに指定している画面で「卒業のソングの新定番」ランキングという特集を組んでいた。進学、就職、定年・・卒業の形は、人それぞれ違っていても、3月・4月を控え、己の人生が一つの節目を迎える人の数は多い。転機に立つ人々の心に、今、ヒットしている曲は、何なのか?という企画者の意図は十分に伝わってくる。

 さらに投票画面へ進むと「『卒業写真』『乾杯』『卒業』は、もう古い!という見出しが目に飛び込んできた。「そうか・・古いのか。」とそれらの曲のリアル世代である私は、ちょっと寂しく、しかし妙に納得してしまった。だっていつまでも荒井由美(この曲を出した頃は、まだ松任谷ではなかったかな?)や長渕剛でもあるまい。

 現在のところは、いきものがかりの「YELL」が得票数1位で、歌手やグループ名は知っていても、肝心の曲を聴いたことがない歌が並んでいる。かろうじてわかるアンジェラ・アキの「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」なども1位の曲同様に、NHKコンクールの課題曲から、人々に広く聴かれ、歌われるようになった曲である。

 卒業ソングを楽しみ、感慨に耽るのは、「卒業」を迎えるその人にとって、過去を振り返るための大切な時間である。

 少々理屈っぽく「卒業ソング」を定義づけるならば、それは各種メディアで聴く、あるいは自分自身がマイクを握り歌う、または学友とともに合唱する、そして、それなりの感慨に耽ることができる「歌」ということになるだろう。

 人それぞれの「卒業」に花を添えてきた「卒業ソング」は、それこそ明治初期に「ほたるの光」に稲垣さんが歌詞を付け、海軍兵学校の卒業式で歌われ始めた時(坂の上の雲秋山真之も歌ったのだろうか?)から、歌そのものや歌い手こそ代替わりしてきているが、脈々と引き継がれてきている文化なのである。

 多くの歌は、人々の気持ちを通り過ぎてしまうが、卒業ソングは、記憶に永くとどまることが多い。そんな卒業ソングについて、想うところを綴ってみたい。