オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

日本の名教師列伝1 吉田松陰2

日本の名教師列伝1 吉田松陰2
〜先生たちは日本の未来をどう見据え、語ってきたのか?〜

大河ドラマの予告編に、松下村塾に通う若者が「豊臣秀吉とナポレオンが戦ったら、どちらが勝つか?」を生き生きと論じ合っている場面が出てくる。黒船に乗り込み、密航を企てた罪で、事実上幽閉中の松陰のもとに多くの若者がやってきたこと自体も、少々不思議ではある。幕府の処罰に対する反骨精神が、このあたりでも背景に流れているのかもしれない。
さて、彼の人生の節目を辿ってみると、蝦夷行きの脱藩→黒船密航に端を発する幽閉→そして安政の大獄による処刑となり、その短い生涯は決して穏やかではない。むしろ、思い立ったら即行動的な、まるでドン・キホーテのような猪突猛進さを感じる。その中で、松下村塾での日々は、幽閉中ということもあり、かなりおとなしくしていた期間と言えるだろう。
教師としての資質能力は、11歳の時に藩主御前での講義を行い、高い評価を受けた履歴からしても、もとより素晴らしい。さらに注目すべきなのは、黒船密航の企てが失敗に終わった後に、萩の野山獄で起居していた時期があるのだが、その際看守や牢の中の罪人(松陰自身もその一人)に孟子の講義を行ったという。松下村塾が身分の分け隔てなく、自由闊達に個性に応じた教育が行われていたことと通じる部分を感じる。









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