「思い出のアルバム草軽電鉄」を読む
草軽電鉄。現在草軽交通としてバス事業を展開している会社の前身です。軽井沢〜草津温泉間を結んでいた高原列車があったのです。55kmの距離を3時間かけて走っていたといいますから、吹き抜ける風を身体に浴びながらのんびりと観光を楽しんでいたお客さんも多かったのでしょう。今は草津温泉バスターミナル近くに駅跡の碑、北軽井沢駅の駅舎、そしてカブトムシと言われた電気機関車が展示されています。走っていた頃は映画のロケ地に使われたり、岸田衿子さんの詩にも登場したりします。
ところが国鉄が吾妻線長野原まで旅客輸送を始めるとお客さんは国鉄に流れていきます。さらに台風の影響による橋梁の損壊などが重なり「時の流れに逆らえず」廃線へと向かうのです。
この本には、脱線が多かった当鉄道の苦労話や雪との闘いが綴られており、鉄道を通しての地域史が語られていました。
画像は北軽井沢駅舎跡です。