オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび268

西岡常一・小原二郎「法隆寺を支えた木」1


教員退職後に木工職人を生業にしている友人がいて、私は琵琶などのメンテナンスでお世話になっている。空手の達人でありピアノは私よりずっと上手くて、子どもらと合唱するときはよくサポートしていただいた。たまに彼のお店に行くと「木は生き物だから・・」という言葉が聞かれ、本書にも通じている気がする。

西岡さんによれば、山で二千年生きた木を切り出し、建造物を支える木として第二の人生=木生? を二千年送るためには、山から切り出したあとに樹液を抜く時間が3〜10年必要なのだとおっしゃる。昔は運搬そのものに大変な時間がかかったので、それが寝かす時間となったのだろう。

この話は、会社人間・組織人間として集団という山の中で生を送ってきた人が、第二の人生をスタートするための準備に似ている。肩書き、収入・・身体の中に溜まったドロドロした液を抜いて、次の人生が始まるのだ。きっと。