オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

宮崎克 原作「ブラックジャック創作秘話」を読む

宮崎克 原作「ブラックジャック創作秘話」を読む

本書は漫画であるが、内容はノンフィクション文学に勝るとも劣らない。ただオマージュを捧げる相手が手塚治虫だったので、漫画という表現方法を選ぶことが最も自然だったのだろう。
「神様」「天才」の名前を本人が望んでいないのにもかかわらず、結果その名を欲しいままにし、しかも生涯漫画界の先頭を走り続けたトップランナーであった手塚治虫の生き様が、様々な証言を元に語られる。
大いなる独創性、個性、能力、それらがまったく他の追随を許さないところまで到達してしまうと、もうその存在は天才でしかなくなってしまう。この本は、すでに「神様」であり「天才」に到達した手塚治虫が語られているのだが、「ゴッドファーザーの息子」で語られる少年期の記憶のように、如何にしてこの才能が評価され、育まれていったかを、検証してみるのも、また一つの研究として成立できると思った。





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