日本の名教師列伝2 二宮尊徳2
〜先生たちは日本の未来をどう見据え、語ってきたのか?〜
「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である。」
尊徳先生が残された教えのうち、今回は上記の言葉から現代の状況について考えてみたい。それはバブル崩壊以降、この言葉がどこまで人々の心に響いているか?疑問に感じているからです。いわゆる日本のバブル以降も、ITバブル、リーマンショック等々、様々な経済変動を私たちは経験してきた。この先、資本主義が継続するためにはミニバブルを繰り返さざるを得ないと指摘する学者もいる。
しかし、巷にこれでもか!という程の貨幣が出回っているのに、なぜ庶民の所得が一向に増えないのか?正規職員が減らされ、不安定な雇用に苦しむ人が増えているのか?そのくせに逆累進性が指摘されている消費税が上がるのか?それは、金融を預かる人々が、より資産を維持し増やすことにのみ専心し、投機に走っている様子と無縁ではないだろう。金融が私企業によって運用されている以上、致し方のないことと言ってしまうとそれまでの話だが、金融とは本来が市民の共有財産なわけで、もっと監査内容が一般に広く公開されてよいと感じる。その中で巨大な資産の公正公平な運用とは、どうあったらよいのかを考えていくことができないかと思う。
貧しく飢饉に苦しむ農村を数多く建て直した尊徳先生の偉業は、それこそ損得勘定を二の次にした活動であっただろう。今の企業家や金融関係者は、格差に苦しむ多くの人々に、どのような道徳を以って活動していらっしゃるのだろうか?
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