オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

新聞コラム 見田宗介「歴史の巨大な曲がり角」を読む。

新聞コラム 見田宗介「歴史の巨大な曲がり角」を読む。

学者の中には、時として預言者のような存在の方がいらっしゃる。見田宗介氏も私にとっては、そのような存在だ。学生時代に氏の「現代の青年像」を読んだことが、私が大学で社会学専攻を選んだきっかけになっている。
5月19日に朝日新聞朝刊に掲載された今回のインタビュー記事も十分に刺激的だ。産業革命以降、近代工業文明は著しい進化を遂げてきた。化石からエネルギーを生み出し、大量生産大量消費こそが経済を豊かにする大前提として常識化した。そして今もなおその延長線上で人類は活動している。日本という国は化石資源に恵まれないので、大量の資源を輸入しそれを加工して輸出することこそが生きる道と教わってきたし、産業の空洞化が進行する以前は実際にそのような国だった。
しかし、今見田宗介氏は成長至上主義から脱却せよと説く。ちょっと難解な表現だが、生きる歓びは大量の自然破壊も他者からの収奪も必要としない。禁欲ではなく「感受性の解放」という方向です・・とおっしゃる。
極めて深刻な原発事故は、成長=最高という命題に疑問符を突きつけたし、それ以前に世界唯一の被爆国である日本は、世界を覆う現代文明の闇に対して積極的な警鐘を鳴らし続けるべきなのだろう。私には森と日本人の歴史的な関わり方、その辺りにヒントが隠されていそうな気がするのですが。





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