オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび452

失われた30年ではなくて脱成長の30年なのかも?

 


バブル崩壊後、小さな波はいくつか訪れたが、日本が再び目覚ましい経済成長に転じることはなかった。たしかに昭和元禄といわれた高度経済成長期の好景気は見る影もない。

お叱りを受けそうではあるけれど、この失われた30年こそは、存外未来を先取りした時期ではなかったのだろうか? これでよかったのだとまでは言い切れないが、少なくとも仕方がなかったのだ。郊外にマイホームを建て、住宅ローン返済にあくせく働く必然性が、今の若者にはない。場所を選ばなければ家は余っているからである。地下資源がない国で、おまけに食糧自給率も低い国なので、海外と競争しながら貿易で稼がなければならない。だからと言って化石燃料一辺倒時代は終わりにしましょうよ! が世界の趨勢だし。そもそも食について世界の中でも一番味にうるさいのは、日本人ではないか? と思うほど飽食に浸っている。いざという時に米が足りなくて、インディカ米を食べた記憶などとっくに忘れ去られている。相変わらず今が楽しければいい的な享楽主義傾向は、バブルの頃と変わらない。

お金は社会インフラのメンテナンス、防災安全、環境政策に投資するべきだと思うが、いずれは人口減で競争力はさらに低下するのだから、GDP以外の豊かさを反映する指標を用いるべきだと思う。明治以降の資本主義=富国強兵に突っ走った近代155年間の価値観を元にするのではなくて、平清盛が登場した頃からの850年位のスパンで眺めると、この国の経済流通がどのくらいの期間でどう変化して来たのか、歴史から別の視点を学べないのか。ひょっとすると失われた30年ではなくて、脱成長という新しいスタイルを生み出していた時代だと後世評価される時が来るかもしれません。知らんけど・・(←一度使ってみたかったフレーズ)。