オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

日本の名教師列伝4 福沢諭吉1

日本の名教師列伝4 福沢諭吉1
〜先生たちは日本の未来をどう見据え、語ってきたのか?〜

一万円札の肖像画慶應義塾創始者、明治を代表する洋学者・・名教師列伝の第四回目は、本邦教育史の不動の四番打者福沢諭吉先生にご登場願おう。そもそも教育の使命は、未来へ導き、未来を創る志を育むことにあるのだろう。近代日本は、まさしく福沢先生の導きにより、道を切り拓いてきた感がある。中でも名著「学問のすすめ」が大ベストセラーになり、その影響たるや計り知れないものがある。本稿では「学問のすすめ」が示した未来像をもう一度読み返し、福沢先生が遺された教えを確かめていきたい。

学問のすすめ」から学ぶ権理

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり。」誰もが知っているこの名フレーズは、明治五年二月に書かれたものだ。士農工商という身分制度については、その実態をより深く学習する必要がありそうだが、武士階級とその他の人々の間に明らかな身分の違いがあったことは事実だろうし、「学問のすすめ」の中でもふれられている。農工商を平民と呼び変え、四民平等をスローガンとして明治政府が掲げたのが、明治二年。この急速な社会変革の中で人々がしっかり自覚すべきことは何か?福沢先生は、それを権理という字を用いて説いている。現在の権利のことだが、権理という字を当てた方がその価値がより伝わりやすいと思う。福沢先生の抜群なセンスが光る訳語の一つだろう。





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