オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

何が藝術で、何が芸能なのか?少し考えてみた。2

言葉遊びに陥るリスクを犯しつつ、いつからどのような意味でそれぞれの言葉が用いられているのかを辿ってみよう。
藝術の語源は、後漢書まで遡ることができるらしいが、西洋からアートという言葉が輸入された明治期に、西周さんが、アートに藝術という訳語を当てたのが始まりらしい。ちなみに表現者の身体表現を伴うものは、芸能として区別されるようだ。
あまりすっきりこないのは、では、いつから大衆的なポピュラーな表現が芸能と分けて呼ばれ始めたのか?ちょっとお高い感じ、場合によっては権威付けさえなされている表現が藝術になってしまったのか?ということである。その背景には、藝術という言葉を巧みに利用している人々の存在があるのだろうが。
例えとして、50年前にポピュラー音楽界を席捲していたビートルズは、当初どう考えてみても芸能の範疇に収められていたと思うが、サージェント・ペパーズあたりから急に藝術へと権威付けされてしまった感がある。
さらに、仮に表現者と鑑賞者の感覚・感情の交流が、藝術への高まりの前提だとするなら、私にはかなりチンプンカンプンな前衛的な抽象美術は、どうなのか?鑑賞者の容易な理解を拒むところを好んで、敢えてそこに立脚しているようにさえ感じてしまう。
芸能が藝術へとメタモルフォーゼする場合や藝術を自称する危なっかしさを上の例からは感じられる。