オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび256

金森修ベルクソン」を読む1

 

最近、今頃になってドゥルーズデリダの解説本を読んでみた。ドゥルーズの前にはベルクソンが居たわけで、金森さんの平易にほぐそうとしている解説にもかかわらず、なかなかに難しい。

例えば「純粋持続」。今のこの原稿を読んでくださっている方、そうあなた様は、読み始めてからすでに数秒が経過しているでしょう。その数秒とは空間の流れを定量化したものです。けれどその「空間的なかさぶた」の下に生の流れである純粋持続が隠れているという。例えば、漫画を見て笑うのは、描かれた絵やセリフの中に、機械のように本来の生とは違う不自然さ=齟齬を感じてしまうからだと言います。そんなはずないよね、おかしいじゃん! は、モノマネをはじめとする喜劇的なパフォーマンスの中にもたくさん現れて、私たちは笑ってみているわけですが、その瞬間に定量化された時間の下に隠れていた私たちの意識=純粋持続が垣間見えるのだそうです。

話は飛びます。中学3年の頃、自室のストーブのせいで一酸化炭素中毒になったことがあって、奇妙な身体感覚に陥ったことを思い出した。何だか、自分であって自分でないような、まとわりつく空間に支配されているだけのような・・この感覚はしばらく続き、中学3年から高校1年にかけて、まるっきり勉強には身が入らなかったので成績は落ち続けた。(元々大したことないけど)ニーチェショーペンハウエルを始めとする実存主義系の本を読み始めたのもこの頃だった。その時期に確かめたかったことは、今回の純粋持続に通じるものがあるように感じています。