オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび549

諏訪正樹「身体が生み出すクリエイティブ」を読む1

 


漫才のボケを例にして、普通は想定しないものごとにパッと「跳ぶ」。目のつけどころが良くて新しい視点をもたらすことは、クリエイティブであることの必要条件だと言う。しかし「跳ぶ」ことはあくまでも結果に過ぎず「体感に耳を澄まし、それに向き合って、身体の発露として、臨機応変に対応すること」が重要であるとも言う。

しかしながら、柔軟性とか臨機応変というのは、言うは易く行うは難しの代表選手で、たまたま発揮できた類のものであり、人に教えることはなかなか困難なのだ。そこで身体知という言葉が出てくる。直接対面しての会話は、身体のリアクションを通して言葉以外の+α部分を補っている。しかもごく自然に柔軟に臨機応変に私たちは反応しているのだ。

無意識のうちに表面化しない閃きが育まれていることを孵化フェーズとして紹介している。当初の着眼や解釈から自由度を獲得するためのプロセスなのだ。著者はデザイナーのスケッチを元にその過程を検証している。

ボク自身が痛感したのは、教師の子どもに対する偏った理解。この子はこういう子だから・・という固定的な解釈、下手すれば偏見に陥りかねない視点から自由になることが、とても大切でしょう。理想を言えば、今まで気づかなかった本人の資質を見つけられれば素晴らしい! クリエイティブな教師とは、そういう先生のことを言うのかもしれません。

f:id:hoihoi1956:20230712022124j:image