オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび572

33代 木村庄之助「力士の世界」を読む

 


幕内、十両など番付の話からスタート! 実際の取組表には、十枚目と書いてあり十両は強い力士に渡された給金が由来なのですね。幕内も、屋外興業であった大相撲で幕を張った休憩所に入ることを許されたからとか。

土俵に上がると蹲踞の姿勢。両手を横に上げます。これは相手への敬意と何も武器を持っていないという意味だそうです。相撲はお互いの身体がぶつかり合うまでは礼なのですね。

相撲中継の中で、一門が話題になることがある。稀勢の里二所ノ関親方になり一門を率いているのはわかるが、実際に土俵に力士が上がる場合、所属している部屋は紹介されるが一門についてはアナウンスがない。解説者が同じ一門であったりすると、最近の稽古の様子を語ってくれたりする程度であります。一門同士の取組は普段からよく稽古で顔を合わせ手の内を知り尽くしているのだから、それもまた興味深い。また一門の先輩力士にどのような関取がいるか? など、話題にしていただけると嬉しいな。

本書は行司さんが書いた本なのですが、大相撲に関わる様々な仕事の中で一度体験してみたいのが呼出。呼出の仕事は土俵づくりから多岐に渡っているのですが、なんと言っても力士の名を読み上げるところがかっこいい。朗々と館内いっぱいに響き渡る声は、日本の伝統的な発声法の一つの典型だと思います。

素直でいる。物事をありのままに見る。本書にたびたび出てくる言葉です。13歳から52年間、厳しい伝統が残る相撲界でやってこられたのは、素直でいられたからだと筆者は言います。昭和感覚かもしれませんが、それはきっと行司職に限らないでしょう。

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