オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

俺達は忘れないぜ!あんたの歌を!!追悼、忌野清四郎!!!

 歌い出し最初のひと声が聞こえてきただけで、だれが歌っているのか、だれでもわかるそんな歌手がいる。演歌なら森進一がそうだし、ロックで言えば、桑田や忌野清四郎の歌い方がそうだ。

 その忌野清四郎が2日天国に旅立っていった。テレビを初めとするマスメディアは、生前のライブや関係者のコメントを流し続けている。時には過激なアクションや言動で番組から閉め出され、時には政治的な表現で発売中止を食らっていた清四郎のことだから、亡くなった途端のこの騒ぎを彼岸の彼方から、少々面食らった顔で眺めているかもしれない。

「反骨と優しさ」を併せ持った歌手などとテロップが流れているが、反骨は、純粋に、彼がロックンローラーなんだから、当たり前の話だ。逆に何が言いたいのか?よくわからんのにロックを自称している音楽が氾濫しているだけである。

 むしろ、無類の歌唱力と言葉に対する独特の感性で、「だれにでも聞き取りやすい日本語で、ロックを歌ってくれた」歌手という面が、もっと強調され評価されるべきだろう。

 ともすれば耳障りのよい冗長なフレーズの中に、埋没してしまう日本語の特性を、ギザギザに尖ったイントネーションとだれもが思いつかなかった節回しで、しっかりロックに消化し、しかも表現を創り上げたのは、清四郎の巨大な業績である。方法論としては、英語混じりの歌詞を駆使しながら、自分のロックを創っていったサザンの桑田とは、好対照である。

 日本のロックの開拓者であり、我が国のロック界を代表する唯一無比の歌手であった忌野清四郎。私たち音楽ファンは、これから時間をかけて彼の足跡をていねいに手繰っていく仕事が必要だろう。