オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

日本の名教師列伝3 中江藤樹

日本の名教師列伝3 中江藤樹
〜先生たちは日本の未来をどう見据え、語ってきたのか?〜

今回は、江戸時代前期の陽明学者である中江藤樹先生に登場願う。そもそも明治維新以前は、学問=ほとんど儒学であった。この学問のようでいながら、多少倫理的な宗教性を帯びた場合に「儒教」とも呼ばれている孔子様を祖とする思想体系について、私を含めて現代人はあまり深く学ぶ経験を重ねていない気がする。漢文の授業でうっすらかじった経験が思い起こされるが、私は一応文系の癖にとにかく古典・漢文が苦手だった。だから歴史の授業で、朱子学陽明学、古学、古文辞学、心学などと並べ立てられ、偉い儒学者の名前を拝聴しても、理解に要領を得なかったのが正直なところである。
しかし、第1回で登場いただいた吉田松陰陽明学を学んでいるのだが、同じ儒学でも朱子学といったいどこが違うのかわからなければ、彼の思想の基盤もわからないわけで、江戸時代の思想や教育を話題にするならば、やはりここは避けて通れないのだ。そもそも江戸時代の陽明学の信奉者を並べてみると、他にも松陰の弟子である高杉晋作西郷隆盛佐久間象山河井継之助錚々たるメンバーが名を連ねる。それ以前ならやはり反乱軍の大塩平八郎。うんと現代に近づけると三島由紀夫陽明学を信奉していたらしい。これでは、いわゆる反体制派的な学問ととらえられても仕方がない。(三島の自決については、昭和を代表する陽明学者である安岡正篤氏が、陽明学に対する大いなる誤解を招く新聞記事を批判していらっしゃるが)
そもそも陽明学のキーワードとも言うべき「知行合一」「致良知」が、どのように日本で語られるようになったのか?その辺りから中江藤樹先生について、追いかけ始めてみたい。



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