オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

桂歌丸「歌丸 極上人生」を読む。

桂歌丸歌丸 極上人生」を読む。

決まった曜日の決まった番組に、決まった人が出ていないと不安になる。「サザエさん」はアニメなので、声優さんによほどのことがない限りは、元気にカツオを追いかけ回しているが、生身の噺家で演っている「笑点」は、そうもいかない。ここのところ笑点の司会、桂歌丸さんが休んでいる。メンバーが代役を務めているが、50年続いている番組を最初から知り抜いている歌丸さんに敵うわけもない。
だいぶ前のコミックスだけれど、古谷三敏が「寄席芸人伝」というシリーズを出していて、とにかく面白かった。恐らくは元に何かしらのエピソードがあって、それをデフォルメしているのだろうが、落語家の個性あふれる生き様の一端が伝わってくるようだった。
さて、桂歌丸歌丸 極上人生」は、名人歌丸の自伝である。真金町の女郎屋に育ち、時には化粧品のセールスマンをしたことも・・・。笑点でも時折名前が登場する奥様の富士子さんが真向かいの家のお嬢さんとは、初めて知った話。本業である落語家としての足跡が綴られていくが、エピローグに趣味としての釣りを始めとする趣味への入れ込み具合が語られ、自分をゼロにリセットする時間を大切にしていることがわかる。
エピソードの文末に、アハハという笑い声がそのまま印字されている箇所が、何か所もあるが、歌丸さんがまるで目の前で微笑んでいるかのような錯覚に陥る。読者は皆、落語家桂歌丸師匠が大好きなのだから。元気な姿でまた高座に戻られる日を心待ちにしているのだから。


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