オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび44

名作を読む19

ノーソフ作「ネズナイカ」を読む

幾つの頃に、どんな話からどんなことを感じ取ることができるようになっているか?それ以前に幾つですどの程度の文字を読むことができて、語彙を獲得しているか?

「ピーチャの学校生活」と同じ作者による「ネズナイカ」は、ピーチャより年齢が低い子どもたちを対象に書かれた物語だと思われる。主人公の小人ネズナイカは、いろいろな仕事にチャレンジしてみるが、失敗ばかり。おまけにホラ吹きで、自分の弱さを正直にさらけ出すことができない。周りの小人も素直な人ばかりなので、ネズナイカを許したり、騙されてしまったりする。

話は熱気球をズナイカ(=ひょうたん島で言うとハカセタイプ)が発明して、冒険旅行に出かけるまでの場面、 ところが緑の町に墜落してしまい女の子の小人に助けられる場面、たこの町にはんだごてを借りに行ったことがきっかけで、男の子の町と女の子の緑の町に交流が生まれ、一緒に果実を収穫する場面、はぐれていたズナイカが現れ、ネズナイカのウソはみんなバレてしまうが、それを許してもらうことでネズナイカが改心する場面。

ざっとこのくらいに区切れば、かなり小さくても読み切れるかな?

もちろんネズナイカが正直者になって、めでたしめでたしなのだけど、このようなシンプルなストーリーを無邪気に受け止める年齢とか時期があっていいと思う。いや必要でしょう。

小学校1年の国語教科書には、定番の「大きなかぶ」が出ている。しかし、これだけでいいわけないでしょ!コロナの影響で表に出て遊ぶ時間が少なくなってしまったかもしれないけれど、この状況を逆手に取って、読書好きな子どもたちが増えてほしいと願っています。考え方が古いかもしれないけれど、本の世界には、デジタルなゲームでは味わえない深さがあると思っているのです。