オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび55

名作を読む27

ハート短編集を読む③

・追放人の最後

死んでしまう。別れる。ストーリーの終わりが悲しいのは、少年少女たちにこれからの人生で何度も訪れる悲しい出来事への免疫抗体を用意しているのだろうか?

この物語の登場人物は、町を追放された悪党どもである。だから同情の余地がないと言ってしまうとそれまでになってしまうのだけど、作者は、博打打ちオーカーストのリーダーシップと冷静な判断力を丁寧に書いている。

雪に埋もれた小屋から仲間の命を救おうとして、結局自分はピストル自殺してしまうのだが、村から助けにきた役人は何を感じただろう?

オーカーストなりに、最後に自分ができることは何だったのか?考え抜いた末での自死に、煙のような空虚な読後感が残る。