名作を読む93
ルルー作「黄色のへや」を読む
さて推理小説の読後感をSNSに投稿するのは、意外に難しい。ネタバレと紙一重なりかねないからだ。推理小説の面白さは最後のどんでん返しに集約されているわけで、そこまで読み切って「あっ」と読者を驚かせる仕掛けがキモなのだと思う。
その点では「刑事コロンボ」は、冒頭から犯人を明かしており、コロンボがどう解き明かすか? だけに的を絞っていた点では異色だった。
お決まりのように天才少年とその相棒が登場する。弱冠18歳の新聞記者、ルーレタビーユだ。
ホームズとルパン、明智小五郎と怪人二十面相のように、犯人も犯罪者として天才的でそうそうしっぽを現さない。
ところでこの手の話によくある手口は「変装」。そしてそのトリックに誰も気づかないことがお約束。つまり作者だけが誰と誰が同一人物であるかを知っているわけなのだ。
これは悪人に限らずカッコいい!月光仮面が誰だか知らないし、ウルトラマンの正体もわからない。施設に贈り物をした実在のタイガーマスクさんもその一人。
話は逸れてしまいましたが、今に至る推理小説のかっこよさが、もうすでに詰まっている名作だと思いました。