オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび77

名作を読む44

ビルドラック作「ばら色島」

ピルドラックの童話第一作。子どもたちを地中海のばら色島に連れてきて、世間から隔離し理想の環境と教育を実現しようというのが、魔法使いことバンサンおじさん。物語の中で子どもたちが、どのようだ環境で学び生活できたらいいだろうか?という作者の夢が描かれている。パリからばら色島に来たチフェルナンも、素晴らしい生活に驚き喜ぶが、チフェルナンは病気がちの母や家族の事が忘れられず、いつまでも心配でとうとう島からの脱出を試みる。

嵐に襲われ、危ないところを救出れたチフェルナンだが、家族をばら色島に呼び寄せていいという許可をもらい、大喜び。大好きだったせんせいもやって来る。

こんな子どもにとって都合の良いことばかりでいいのか?子どもにはもっと厳しさも必要ではないのか!と感じる読者もいるだろう。けれどこれはもともと童話なので、子どもたちに夢のような世界を見せてナンボなのだ。

もう一つ、チフェルナンが家族への思いを募らせていく場面が大事で、教員やその他の面々がどんなに尽しても、家族には叶うはずがないのだ。