オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび512

時間軸に自由な音楽、空間を染める音楽1

 


衝動的に音を鳴らす。声を出す、叫ぶことが音楽の出発点だとすれば、そこに時間軸の制約はなかったはず。集団で音を共有しようとして初めてテンポやリズムを共通理解する必要に迫られたはずです。けれど音楽の一部は、現在でも個人レベルで発信されていて、例えば琵琶楽の間や余韻は、無拍の音楽ならではの表現だと思います。何だかわけがわからないのではなく、そこには独特の自由な音楽があり、結果としての間や余韻を聴き手の皆様と共に味わっていたのです。客席から掛け声が飛んでいた時代は、それはそれほど昔の話ではありません。歌舞伎でも一旦時間を止めて、決めポーズを取っているのは、現在まで続いていますね。

薩摩琵琶は弦楽器兼打楽器のような感じで、ダダンと楽器の面を叩いて間を作っています。音高については口伝を元に楽譜を作成することが可能ですが、テンポやリズムはまったく奏者に委ねられて、私はそこに伝統的に受け継がれてきた自由度を感じます。