残る作品、残る演奏
小船先生が横浜国大で講義されていた頃と、私の学生時代は被っていそうなのだが、残念ながら受講した経験がない。教員として初めて着任した横浜市立深谷小学校の校歌が小船先生の作曲であり、当時音楽室の黒板には小船先生の自筆譜が消されずに残されていた。
出来不出来を問わなければ作曲と言う営為は、誰にでもできるので、今現在もすごい数の作品が生まれている。そのうちの何割かが実際に音になる。自作自演であればそこまでは容易に進める。
問題はその後で、聴き手の心に響き、記憶に残るか? 忘れ去られてしまうか? バッハ・モーツァルト・ベートーヴェン、エルビスやビートルズなどの超大物は、遺産の当選確定だが、中には今後も歌い継がれていくのか? 不安な作品もある。
私が好きな合唱で言えば、戦前つまり1945年以前の日本人作品は、演奏される機会が少ない。伝統芸能の琵琶も演奏者の減少と共に演奏回数が少ない曲がある。
結局は、サバイバルなのかもしれないが、楽譜や録音に記録されていない音楽は一度失ってしまったら、再生が困難なので先々が心配です。